こちらの記事では、ナノファイバーの特性の一つである「超分子配列効果」を有効活用したナノファイバー製品についてご紹介します。
高分子鎖がまっすぐ並ぶことから生じる効果です。
これにより、「電気的特性」「力学的特性」「熱的特性」等が生み出されます。 導電性の原子や分子を規則正しく配列することで、非常に導電性に優れた繊維ができ、モバイル燃料電池などへの利用が期待されます。 また、高分子鎖が真っ直ぐなことから非常に高強度になり、また構造が緻密になることから大幅に耐熱性が向上します。 「軽・薄・短・小」が必要な分野での高機能複合材料への利用が期待されます。
以下では、3つの性質について解説します。
カーボンや導電性高分子では、高分子鎖が真っ直ぐ並ぶことで電気輸送量が銅線より千倍程度大きくなります。このことから、カーボンや導電性高分子を利用して導電性ファブリックを作製することができ、アンテナや導電性材料として利用することができます。
これらの性質・技術から、
といった分野での製品化が実施・期待されています。
高分子ナノファイバーでは、配向度や結晶化度が高く、引っ張り強度がナイロンの100倍程度になります。このことから、ナノファイバーにアラミド等を使用することで高強度ナノファイバーを作製することができます。また、ナノファイバーゲルを使用すると、強度がありながらも応答性に優れたアクチュエータを作製することができます。
超分子配列効果によりナノファイバーは配向度や結晶化度が高く、さらに有機・無機ハイブリッド化で耐熱性が400°C向上します。このことから、軽量で耐熱性を必要をするファブリックを作製することができます。また、エレクトロスピニングを利用すると有機・無機ハイブリッドが非常に容易です。
軽く・薄く・短く・小さい、そして銅線の1000倍にもなる電流輸送量を持つことから、電気・電子・ロボット業界で研究が進められた場合、以下のような製品開発が期待されます。
最近では、米ブラウン大学・メリーランド大学・東京大学などの研究チームにより、次世代電気自動車(EV)の要とされる全固体電池の固体電解質の候補材料をナノファイバーから開発したことが発表されました。
ナノサイズ効果と合わせて、例えば紙よりもっと薄いパソコンを作ることも。これが完成すれば、コンタクトレンズ型のパソコンを人々が装着するような、SFアニメのような未来が実現されるかもしれません。
引っ張り強度がナイロンの100倍程度あり、厳しい作業環境の中でも作業者を安全に守る生地を作ることができます。ナノファイバーが持つ特性から断熱効果も高く、薄手で保温性が高いことから年中快適に過ごせる安全服と言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか。本記事では「超分子配列効果」から見るナノファイバーの働きについて紹介しました。これらの働きは、多くの可能性に溢れているナノファイバーの魅力の一つにすぎません。もっとナノファイバーについて知りたい方は、是非当社ホームページの別記事もご覧ください!